吐き気がする
目次
吐き気がするとは
「吐き気がする」というのは、胃の中のものを吐き出したくなるような不快感を指す言葉です。
医学的には「悪心(おしん)」とも呼ばれ、しばしば嘔吐(実際に吐いてしまうこと)を伴うことがあります。
吐き気は、ごく一時的なこともあれば、長く続いたり繰り返したりすることもあり、その背景にはさまざまな原因が隠れています。
多くの人が一度は経験する症状であり、軽い体調不良のサインであることもあれば、緊急の対応が必要な病気の一症状であることもあります。
たとえば「車酔い」や「二日酔い」など、一時的で原因がはっきりしている場合は大きな心配はいりませんが、「何日も続く」「強い腹痛を伴う」「血を吐いた」などの症状がある場合には、すぐに医療機関を受診することが必要です。
吐き気の原因【胃や腸の病気】
急性胃腸炎
急性胃腸炎は、ウイルスや細菌の感染によって胃や腸に炎症が起きる病気です。
代表的な原因としては、ノロウイルスやロタウイルス、サルモネラ菌などがあり、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などを引き起こします。
特に冬場はウイルス性、夏場は食中毒による細菌性の感染が多く見られます。
軽症の場合は自然に回復することが多いですが、脱水症状に注意が必要です。
症状が強い場合や高齢者、小児では重症化することもあるため、早めの受診が望まれます。
胃・十二指腸潰瘍
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、胃酸が粘膜を傷つけて潰瘍(ただれ)をつくる病気です。
ピロリ菌感染やストレス、鎮痛薬の長期使用が主な原因です。
症状としては、みぞおちの痛み、胸やけ、食欲不振、吐き気などがあり、空腹時に悪化する傾向があります。
潰瘍が進行すると出血を起こし、黒い便(タール便)や吐血が見られることもあります。
内視鏡検査によって診断され、薬による治療で多くは改善しますが、再発することも多く、再発予防のための管理も重要です。
胃食道逆流症
胃食道逆流症は、胃の内容物や胃酸が食道へ逆流することで、食道の粘膜が刺激され、吐き気や胸やけを引き起こす病気です。
特に脂っこい食事の後や、就寝前に横になると悪化しやすく、「胸のつかえ感」や「のどの違和感」も伴います。
肥満や加齢、妊娠、姿勢、食生活の乱れが原因になることがあります。
薬物治療に加え、生活習慣の改善が重要です。
慢性化すると逆流性食道炎を引き起こすこともあるため、注意が必要です。
胃がん
胃がんは、胃の粘膜から発生する悪性腫瘍で、進行するまで自覚症状が少ないことが特徴です。
初期の段階では食欲不振、吐き気、胃もたれ、軽い腹部不快感といった非特異的な症状が現れます。
進行すると、体重減少、吐血や黒色便(タール便)などが見られることがあります。
リスク因子としては、ピロリ菌感染、喫煙、塩分の高い食生活などが挙げられます。
胃がんの早期発見には定期的な内視鏡検査が重要で、早期であれば内視鏡的切除や手術により完治が望めます
食道がん
食道がんは、食道の粘膜から発生するがんで、早期には症状が乏しいですが、進行すると食べ物がつかえる感じや胸の痛み、吐き気、食欲不振などが現れます。
がんが大きくなると食道が狭くなり、食事が通りにくくなることで吐き気が強くなることがあります。
飲酒や喫煙は大きなリスク因子で、特に熱い飲み物や強いアルコールの習慣がある方は要注意です。
診断には内視鏡検査が不可欠で、進行度に応じて内視鏡治療、放射線、化学療法、手術などの治療が行われます。
腸閉塞(イレウス)
腸閉塞は、腸の内容物が途中で止まり、先へ進まなくなる状態です。
過去の手術による癒着、腫瘍、腸のねじれ(捻転)、ヘルニアなどが原因となることがあります。
腸が詰まると、吐き気や嘔吐、腹痛、腹部膨満感、便やガスが出ないといった症状が現れます。
嘔吐はしばしば強く繰り返され、特に飲食後に悪化します。
放置すると腸の壊死や穿孔を起こす恐れがあるため、早急な治療が必要です。
治療は入院の上、絶食・点滴・鼻からの管を挿入して胃や腸の内容物を吸引する減圧が基本ですが、重症例では手術が必要になります。
急性虫垂炎(盲腸)
急性虫垂炎は、いわゆる「盲腸」として知られ、虫垂という腸の一部に炎症が起こる病気です。
最初は胃のあたりに吐き気や食欲不振、不快感が出ることが多く、時間が経つにつれて右下腹部に痛みが移動するのが特徴です。
発熱や軽い下痢を伴うこともあります。放置すると虫垂が破裂し、腹膜炎を起こして命に関わることもあります。
診断は腹部診察や血液検査、超音波やCT検査によって行われ、治療は主に手術または抗生物質による保存的治療が行われます。
吐き気の原因【胃や腸以外の病気】
吐き気の原因となる疾患はたくさんありますが、ここでは代表的なものをいくつか挙げていきます。
脳出血・くも膜下出血
突然の激しい頭痛、吐き気、意識障害などが特徴です。
命に関わる重篤な状態ため、救急対応が必要です。
脳腫瘍
進行すると頭痛や吐き気、視力障害などが見られます。
症状が徐々に悪化することが多いため、「いつもと違う」頭痛には注意が必要です。
心筋梗塞
典型的には胸の痛みや圧迫感ですが、吐き気や胃の痛みが主症状となることもあります。
心臓の病気と気づかれにくいため注意が必要です。
糖尿病性ケトアシドーシス
糖尿病がうまくコントロールされていないときに起こる重篤な状態で、吐き気や嘔吐、口の渇き、意識障害を引き起こします。
メニエール病・前庭神経炎
内耳の異常によってめまいが生じ、それに伴って吐き気や嘔吐を起こします。
めまいとともに耳鳴りや難聴がある場合には、耳鼻科での精査が必要です。
緑内障
急性緑内障発作では、眼圧が急激に上昇し、目の痛みや頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れることがあります。
放置すると失明の危険があるため、早急な治療が必要です。
妊娠(つわり)
病気ではありませんが、女性の場合は考慮に入れる必要があります。
他の病気を考えて病院を受診したら実は妊娠だったということもあります。
薬剤性
抗生物質、鎮痛薬、抗がん剤など、薬の副作用として吐き気を引き起こすことがあります。
特に空腹時に飲むと悪化する薬も多いため、服薬のタイミングや飲み方にも注意が必要です。
吐き気がするときには?
吐き気があるとき、まずはその「程度」と「一緒に出ている症状」に注目することが大切です。
すぐに病院を受診すべきサイン
- 吐いたものに血が混じっている
- 吐き気とともに激しい頭痛や意識障害がある
- 強い腹痛や高熱がある
- 胸の圧迫感や息苦しさを伴う
- 数日間、飲食ができないほどの吐き気が続く
このような場合には、命に関わる重大な疾患の可能性があるため、精密検査が必要なため、すぐに救急病院を受診してください。
軽度の吐き気で様子を見られる場合
- 一時的に食べすぎた、飲みすぎた
- ストレスや緊張が原因と思われる
- 車酔い、においなどの刺激による吐き気
このようなときには、まずは無理に食事を摂らず、安静を心がけましょう。
常温の水やスポーツドリンクで水分をこまめに補給し、おなかにやさしい食事から少しずつ再開することが大切です。
また、慢性的な吐き気がある場合や、原因がはっきりしない吐き気が長引く場合には、一度医師の診察を受けることをおすすめします。
草加西口大腸肛門クリニックでの【吐き気がするとき】の診療
当院には「吐き気がなかなか治らない」「ずっと気持ち悪い」といったお悩みで来院される方が多くいらっしゃいます。
まずは、いつから・どのようなタイミングで吐き気が起こるのか、あわせて腹痛や食欲不振、下痢・便秘・胸やけなどの症状があるかを丁寧に問診し、診察を行います。
そのうえで、必要に応じて胃内視鏡検査(胃カメラ)を実施し、胃や食道に異常がないかを確認します。
胃内視鏡検査では、逆流性食道炎や胃炎、胃潰瘍、場合によっては胃がんが見つかることもあります。
検査で異常がなかった場合でも、機能性ディスペプシアや心因性の不調、耳鼻科領域の疾患、脳や内科的な病気が関係している可能性もあるため、その場合は適切な診療科をご紹介いたします。
「吐き気が続いていて少し気になる」
「何科に相談すればいいのかわからない」
とお感じの方も、どうぞお気軽にご相談ください。